できるだけ歯髄を取らないために
いわゆる歯の神経とは「歯髄」という組織のことで、歯に栄養を運ぶだけではなく、歯に伝わるさまざまな刺激を感じて、人の中枢に伝えます。また、外部の刺激に対して歯を守る役割を担っています。
そのため、歯髄を失った歯はもろくなり、歯を失う大きな原因となる歯根破折をおこしやすくなります。つまり、歯髄を失うことは歯の寿命を縮めることに直結しているのです。
さて、歯の神経の近くまで進行した大きな虫歯は、歯髄が炎症を起こしやすい状態にあるため、治療後に歯に痛みがでることがあります。
いなだ歯科では歯を守るためには歯髄を残すことが大切であると考え、治療を行っています。
歯の神経の近くまで進行した大きなむし歯を治療する場合、歯髄が炎症をおこさないように歯髄を守る処置を行い、仮詰めの状態で1ヶ月程度経過を観察し、お痛みなどの症状がでないかを確認してから最終の治療を行うようにしています。
ただし、歯にズキズキ痛みがある場合は、治療対象にはなりません。また、すべての方の歯髄を残せるわけではありません。やむを得ず神経を取る場合もあります。
この治療法は治療が終わるまで時間がかかるので、患者様にも理解していただく必要があります。治療直後は一時的に歯が過敏になり、冷たいものなどでしみたり痛む場合があります。通常これらの症状は軽減・消失していきますが、改善されない場合はご連絡ください。
大切な歯を守るための治療です。ご理解いただければ幸いです。