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歯の神経ってどういう役割があるの?

虫歯の治療をした時に

「歯の神経のところまではむし歯は進行していませんでした」

「歯の神経が炎症を起こしています」

など、「歯の神経」という言葉をよく耳にされると思います。



「歯の神経」は歯のどの部分にあって、どのような役割をするのでしょうか?

歯の神経は「歯髄 しずい」と呼ばれています。

歯は、表面の部分がエナメル質という硬い組織で覆われています。そしてエナメル質の下には、象牙質というエナメル質より柔らかい組織があり、そしてその内側に歯髄があります。

歯髄の働きには次のようなものがあります。

1.歯に栄養を与える

歯髄には多数の毛細血管が存在しています。カルシウムやミネラルなどの栄養を血管を通して象牙質に運んでいます。歯に栄養を供給することで強度を保っているため、歯髄を取り除く処置をした場合、歯が脆くなってしまいます。

2.歯に加わる刺激を感じる

「歯が痛くて眠れません。」

「食事をすると歯に痛みを感じます」

患者さんが歯科に来院された際、よくお聞きする症状です。

歯の痛みはどうして起こるのでしょうか?

歯の痛みは、歯髄に刺激が加わり、そこから脳にシグナルが送られることで起こります。歯の神経は実はすべての刺激を「痛い」としてしか感じることができません。冷たいものも「痛い」熱いものも「痛い」というように、刺激を脳に伝えています。

3.細菌感染に対して免疫反応を起こす

歯髄にある様々な免疫細胞が細菌に抵抗したり、象牙質に刺激が加わると、「第二象牙質」とよばれる壁を作ってその刺激を遮断するなど、歯髄には防御機能もあります。

歯髄はむし歯や外傷によって歯髄が感染したり、壊死したりすると歯髄を取り除く「根管治療」が必要になります。細菌に侵された歯髄や血管を放置していると腫れたり歯を抜くリスクが高くなりますが、「根管治療」を行い、感染した歯髄や血管を除去して消毒すれば、歯を抜かずに残すことができます。

根管治療を受けた後の歯の寿命はおよそ11年であることが、ある研究で報告されています。また、歯髄を取り除いた歯は、次に虫歯になっても、「痛い・しみる」などの自覚症状を感じないため、かなり悪化してからしか気づけないことが多くなります。

大切な歯を守るために、歯の寿命を左右する歯髄を失わないようにしましょう。

そのためには、日頃のお口のケアはもちろん、歯科での定期検診とプロフェッショナルクリーニングを受けることがとても大切です。定期検診を受けていない方は定期検診を受けている方と比べて6倍歯をなくしやすくなるというデーターもあります。

歯科の定期検診を家族みんなの習慣にして家族のお口の健康を守りましょう!