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味覚障害について

味覚は五感の1つです。そして味覚は甘味・酸味・塩味・苦み・うま味の5つに分類されます。

赤ちゃんは甘い味をなめるとほっこりした顔に、すっぱい味や苦い味をなめると口をすぼめたりゆがめたりします。それは生後すぐから味を識別する能力があるからです。

味覚障害は、何も食べていないのに口の中で苦い・甘い・渋いなどの味がしたり、「ご飯を食べても味がしない」「何を食べてもまずく感じる」「塩味など特定の味だけわかりにくい」といった症状がみられます。



人は味蕾(みらい)という器官で味を識別します。味蕾の数は、乳児期には約1万個ありますが成人になると7,500個ほどに減少してしまうと言われています。赤ちゃんは大人よりも微妙な味の違いがわかる、ということになります。

味蕾は舌以外に軟口蓋や頬の内側にもあります。

一般的には味覚障害は、女性が多く、年齢では50~70歳代が最も多くなっています。

味覚障害の原因は不明な点も多いのですが、半分以上を占めているのが「亜鉛不足」です。その他にも中耳炎、顔面神経麻痺、脳血管病変などによる味を伝える神経そのものの障害、高血圧、抗生物質、抗がん剤などの薬の服用、口腔乾燥症(ドライマウス)、歯科金属アレルギーなどがあげられます。

治療は亜鉛を含んだ薬やサプリメントの服用、食生活の改善、口腔乾燥症の治療などがあり、原因により、それぞれにあった治療を行ないます。

亜鉛は細胞の新陳代謝に必要不可欠なミネラルで成長にも深く関わっています。とくに味蕾は新陳代謝が活発で約4週間のサイクルで生まれ変わります。亜鉛が不足すると代謝が鈍り、味覚に異常を起こしやすくなります。

亜鉛は体内に存在する量は微量で体内で作り出すことができないので、食事から亜鉛をとることが重要です。バランスのとれた食事をしていれば、不足することはありませんが、極端なダイエット、朝食抜き、ファーストフードやコンビニのお弁当、インスタント食品ばかりなどの偏った食事では、亜鉛が不足してしまいます。



「海のミルク」といわれるほど栄養が豊富な牡蠣は亜鉛の一日の必要量15mgを2粒で補うことができます。その他に亜鉛を多く含む食材は赤身の肉やレバー、海苔などです。亜鉛はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まるので、お肉と野菜、牡蠣とレモンなどを食べ合わせるのがおすすめです。



味覚障害は長期間そのままにしておくと、固定化する可能性が大きいのが特徴です。しっかりと治療してあげれば、十分に改善する可能性はあります。

お口の中の汚れも味覚を鈍らせる原因になるので口の中を清潔に保つことも大切です。 日々の歯磨きや定期検診での口腔ケアも忘れずに☆