どうして歯磨きをしないと歯ぐきが赤く腫れるの?
健康な状態の歯ぐきはピンク色をしていて引き締まっています。
歯と歯ぐきの間には「歯肉溝」とよばれる0.5~2mmの溝があります。
歯肉溝にプラークが溜まり、歯ぐきに炎症がおこると、歯ぐきの色が赤くなるだけでなく、歯との境目が丸くなり、厚みをもって腫れてきます。
この状態を歯肉炎といいます。
日頃歯ぐきの状態をチェックする習慣がなくても、歯磨きの時に歯ぐきから出血してきて歯ぐきの炎症に気づく方が多いと思います。歯肉炎は、多くの場合プラークが原因となりますが、体調が悪く免疫が下がって引き起こすこともありますし、ホルモンの変調によって起こるものや服用薬物の副作用によって起こるものもあります。
それでは、どうして歯磨きをしないと歯ぐきが赤く腫れるのでしょうか?
プラークが歯肉溝に溜まり、その状態を長期間放置すると、プラーク内の毒素によって歯ぐきの血管が広げられ、緩んだ血管に血液が流れ込み、充血が起こります。さらに、プラークの刺激によって血管が物質を通過させやすい性質に変化し、血管内の物質(血液成分)が血管の外に漏れ出て歯肉が腫れるからです。
歯肉炎になっても、きちんと歯磨きをしてプラークコントロールをすれば、元の健康な歯ぐきの状態に戻ります。
ただ、歯肉炎は自覚症状がないうちに進行していき、症状が進行すると最終的には歯を失うこともあります。
歯磨きの時に歯ぐきからの出血を気にされている方はもちろん、しばらく歯科を受診されていない方も、歯ぐきの状態や歯磨きのチェックを是非この機会にお受けください。