それぞれの歯が持つ大事な役割について
歯の役割と聞いて思いつくことはなんですか?
「食べ物を細かく噛み砕いて消化しやすくする」
「発音を助ける」
「歯ざわりや歯ごたえを楽しむ」
「表情を作る」
これら以外にも実は体の姿勢やバランスを保ったり、ものを噛むことで脳に刺激を与えるなど、健康的な生活をするうえで欠かせない役割を担っています。
歯を見ていただくと、それぞれ大きさ・形が違うのがお分かりいただけると思います。そしてそれぞれにしっかり役割分担があります。
歯は、たった1本失われても、正常な働きができません。例えば、大臼歯(奥歯)が1本なくなっただけで、ものをかみくだく能率は約40%も低下するといわれています。また、上の前歯が抜けるとサ行、奥歯が抜けるとハ行、ラ行が発音しにくくなって、言葉が不明瞭になったり、顔の輪郭が変わって、表情が老けて見えたりします。歯の欠損が多くなると、野菜や肉類等が食べにくくなるため、食物繊維やビタミン、鉄の摂取量が低下するとも言われています。
このように、健康な歯は、健康な体を支え、私たちに快適な暮らしをもたらします。
大人の歯は通常28本。「親知らず」と呼ばれる第3大臼歯4本を加えると32本になります。
これらの歯は、「切歯」「犬歯」「小臼歯」「大臼歯」の3種類に分けられます。
「切歯」「犬歯」」「小臼歯」「大臼歯」それぞれの役割についてお話していきます。
1.切歯(中切歯、側切歯)
上下左右8本あります。
顔の印象を左右する歯で、食べ物を適度な大きさに噛み切る役目があります。発音にも大きく関与しています。
2.犬歯
前から三番目の位置にある先がとがった歯です。食べ物を切り裂く役割があり、他の歯よりも根っこが長く強度があります。
縦方向の力には強いけれども左右に動かす力には弱い臼歯にその力が直接伝わらないように臼歯を守るといった大切な役割も担っています。
3.小臼歯
小臼歯は上下左右2本ずつの計8本あります。
小臼歯には下アゴが奥に下がらないようにするストッパーの役割や顎関節の機能を守り、噛み合わせを安定させる働きがあります。また、前歯でひと口大に噛み切った食べ物を奥に送る役目をしています。
4.大臼歯
大臼歯は上下左右2本ずつ計8本ですが、親知らずを含むと計12本になります。
小臼歯、大臼歯は食べ物をすり潰したり、噛み砕いたりする役割があります。その中で一番重要な役割を担っているのが第一大臼歯です。第一大臼歯は永久歯の中で一番大きく、噛む力が一番強く、噛み合わせの基本となる大切な歯です。
9本以上歯を無くなったままにしている人は転倒するリスクが高まる事も知られています。よろめいた時に、しっかり噛みしめられる人の方が短時間で元の姿勢に戻ることができることがわかってきています。
歯を失う主な原因は、むし歯と歯周病です。毎日の適切なケアによって防ぐことができます。
日頃からのていねいなブラッシングや定期的な検診が重要です。大切な歯を守る為に是非、定期検診にご来院ください。