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歯はどうやってはえてくるの?

歯はどのようにでき、はえてくるかご存じですか?

私達がお母さんのおなかの中にいる妊娠7週頃から歯胚(しはい)と呼ばれる乳歯の卵が、将来口になるべき部分にできはじめます。そしてこの卵が徐々に育っていき歯となります。また、妊娠3か月半頃になると大人の歯(永久歯)の卵となる歯胚の形成も始まります。

このように、赤ちゃんの歯の基礎づくりはお腹にいるときから始まっています。歯にはほとんど新陳代謝がないので一旦でき上がってしまうと、あとからいくら必要な栄養素を補っても歯は取り入れてくれません。赤ちゃんの歯を強くするためにも妊娠中は歯の石灰化を助けるミネラル成分、リンとカルシウムが多い食事をバランスよく摂ることが大切です。チーズや牛乳などの乳製品や、ひじきや小魚などの海産物などから上手に摂取していきましょう

妊娠4ヶ月くらいから、歯の頭になる「エナメル質」という部分が作られはじめます。歯の頭(歯冠)が完成されるのは、前歯で生後3ヶ月くらい、奥歯は生後6ヶ月から11ヶ月ぐらいです。「歯冠」が作られた後、「歯根」と呼ばれる歯の根の部分が徐々に作られていきます。

この根ができてくる過程にともない、歯のまわりの骨である歯槽骨なども作られ、そしてついに歯の頭が歯ぐきの表面を破って口の中に顔を出してきます。

最初の乳歯は、生後6か月から7か月にかけて下顎の中央から生えてきます。この歯は乳中切歯(A)と呼ばれ、少し遅れてその隣の乳側切歯(B)や、上の乳切歯(A,B)が生えてきます。1歳6ヶ月くらいになると奥歯の第1乳臼歯(D)が、また、2歳までには乳犬歯(C)が生え、最後に一番後ろの乳歯である第2乳臼歯(E)が2歳半から3歳頃にかけて生えてきます。乳歯20本がすべて生えそろうのは2歳半~3歳ぐらいになります。



乳歯の根の近くには永久歯の歯胚があり、乳歯の歯胚と同じように成長し、できあがった乳歯の歯根を溶かしながら身体の成長にともなって顎も成長し、生えてくることになります。6歳頃から12歳頃にかけて「乳歯」から「永久歯」へ生えかわります。



永久歯の歯冠部が完成し、歯の根の部分が作られ始めると、乳歯の根を溶かす細胞が現れ、永久歯の上にある乳歯の根は少しずつ溶かされていきます。乳歯の根が溶けていくと、乳歯はグラグラになり抜け落ち、永久歯が顔を出します。歯の根が完成するまでには、生えてから2~3年かかります。

生えはじめたばかりの歯は未完成で、やわらかく酸に溶けやすいため、むし歯になりやすいです。早い時期からフッ化物(フッ素)を取り入れて積極的にむし歯予防をしましょう。

ところで乳歯と永久歯の違いってご存じですか?

まず、歯の色に関していうと、乳歯は乳白色、永久歯は黄色味を帯びています。また、乳歯のエナメル質・象牙質の厚みは永久歯の半分程度と薄く、石灰化も永久歯に比べると不十分です。乳歯の歯の根は曲がっていたり、開いていたりするのですが、それは乳歯のうしろや下のほうに永久歯の卵(歯胚)が控えていて、それが生えてきやすいようになっているためです。

永久歯は乳歯の下で成長しています。いずれ永久歯に生え変わるからといって乳歯のむし歯を放置すると、その後に生えてくる永久歯の歯の質や歯並びに悪い影響を及ぼします

乳歯のむし歯もきちんと治療し、定期的に歯科医院を受診してお子様の年齢やお口の状況に合わせた適切な口腔ケアを行って正しいブラッシング方法や生活習慣を身につけましょう。