「フッ素は塗らないほうがいい」ってホント?
「フッ素」という言葉を聞いて「むし歯予防」を思い浮かべられる方は多いのではないでしょうか?
「フッ素」を含む化合物のことをフッ化物と言います。実は「フッ素」と「フッ化物」は全く別物です。むし歯予防に使うのはフッ化物でありフッ素ではありません。
フッ化物には、むし歯予防の効果があります。
でも、フッ素に関するさまざまな情報の影響で「フッ素は塗らない方が良い」という意見を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
フッ素は、単体だと人間にとっては猛毒となります。「え?それ使っても大丈夫なの?!」と心配になりますよね?でもフッ素は基本的に単体ではほとんど存在できず、他の元素を巻き込んでくっついてしまいます。このように2つ以上の元素が結びついてできた物質を化合物といい、フッ素を含む化合物のことをフッ化物と呼びます。
フッ化物は有効性と安全性が認められ世界的にも広く活用されていて、世界保健機関(WHO)をはじめとする世界中の公的機関がむし歯予防のために活用することを推奨しています。
日常的に「フッ素」という言葉が使われていますが、歯科医院で塗布するフッ素や、歯みがき粉や洗口液に含まれるフッ素はすべて“フッ化物“のことを指しているのでご安心ください。
それでは、フッ化物を活用することで、どのくらいむし歯を予防することができるのでしょうか?
世界的に認められているむし歯予防の中心的な存在であるフッ化物配合歯磨剤。フッ化物配合歯磨剤のむし歯予防効果はフッ化物濃度が高いほど効果が高くなることが報告されています。世界保健機構(WHO)の推奨では、歯磨剤に含めるフッ素濃度は、年齢に関係なく「1000-1500ppm」としていて1000ppm未満のフッ化物配合歯磨剤では齲蝕予防効果が認められていないことも示されています。
日本で市販されている1450ppmのフッ化物配合歯磨剤では約30%程度のむし歯予防効果が期待されます。
フッ化物配合歯磨剤は年齢にあった量を適切に使う ことがポイントです。
歯磨きの後に歯磨剤をしっかりと吐き出すことができない3歳未満の乳幼児ではフッ化物配合歯磨剤の1回あたりの使用量は米粒程度(1~2mm程度)、フッ化物濃度1000ppm程度のものを用いることが推奨されています。
3~5歳はグリーンピース程度(5mm程度)のフッ化物配合歯磨剤を使用するようにします。また、フッ化物濃度は1000ppm程度のものを使用することが推奨されています。6歳以上では1450ppmのフッ化物配合歯磨剤の使用が推奨されています。1回あたり歯ブラシ全体の量(1.5~2cm程度)を使用します。
推奨される効果的なフッ化物配合歯磨剤の使用方法をお伝えします。
1. 歯ブラシに年齢に応じた量の歯磨剤をつける
2. 歯面全体に歯磨剤を広げる
3. 2~3分間、泡立ちを保つように歯を磨く
4. 歯磨剤を吐き出す
5. 10~15mlの水を口に含む
6. 5秒間程度ブクブクうがいをする
7. 吐き出す。うがいは1回だけ
8. 1~2時間程度は飲食をしない
むし歯予防には、食習慣や生活習慣の改善、定期健診を受けることが大切です。
フッ化物の効果を最大限に発揮できるように歯磨き習慣をいま一度見直しましょう。